患者さんごとのお体の状態や目標に合わせ、椅子や車いす・クッション等の検討・変更を行っております。適切な座位姿勢の実現から心身機能の維持や改善、二次的障がいの予防、活動と参加を促進する事を目的に行っています。

当院では、2025年3月からシーティング専任理学療法士を配置し、早期から適切な座位姿勢が実現できるよう介入を行っております。主に、座るのに自身の手の支えが必要な方や自身で座る事が困難な方を中心に入院後速やかに心身機能の評価・身体寸法の測定・座圧計を用いての座圧測定等の評価を行い、車いすやクッションの検討・変更を行い、リハビリ以外の時間でも適切な姿勢で離床できる事を目的に行っています。

目的

1.心身機能の維持や改善

  • 心肺機能改善
  • 摂食・嚥下と食事姿勢の改善
  • 体幹の活動頻度増加
  • 上肢機能の改善

2.二次的障がいの予防

  • 関節拘縮
  • 心肺機能低下
  • 起立性低血圧
  • 意欲低下
  • 固定化された姿勢の崩れ
  • 身体各部の関節可動性の低下
  • 呼吸機能低下
  • 摂食・嚥下機能低下
  • 褥瘡(仙骨・坐骨・踵部・陰嚢・背部)
  • 心理面の低下
  • 介助量の増加
  • 転落リスク
  • 浮腫
  • 活動的な姿勢がとりにくい
  • 内部臓器への影響
  • 立ち上がり・移乗への影響

見た目の良し悪しだけでなく、力学的・生理学的・心理学的・作業効率的といった様々な視点からの判断が必要となります。
車いす利用者と、提供した車いすとの不適合によって不良座位姿勢が起こりやすくなり、時間の経過とともに二次障がいを引き起こす可能性が高まります。

3.活動と参加の促進

心身機能の維持や改善により、自立度の向上、移動能力の拡大、社会活動の促進を図り廃用症候群といった二次的障がいを予防。意欲が向上し社会活動への参加を促進。

シーティングの流れ 例①

①身体寸法を測定
②座圧計で左右のバランスを測定

左右対称にするために、どこを補助すべきか、車いすなのかクッションなのか検討します

Before 右側に姿勢が崩れている。左手で突っ張っている。
After 大きい車いす手もたれ付
After 普通車いすにも座れるようになりました

シーティングの流れ 例②

①身体寸法を測定
②座圧計で左右のバランスを測定

座圧計のモニターを見ながら患者さんに分かりやすく、説明し検討します

Before 顔が前を向きにくい
After 楽に前を向けるようになりました